改正私立学校法~理事の選任手続き

理事の選任方法

令和7年4月1日施行の改正私立学校法の理事の選任方法は、第三十条に定められています。

第三十条  理事は、私立学校を経営するために必要な知識又は経験及び学校法人の適正な運営に必要な識見並びに社会的信望を有する者のうちから、寄附行為をもつて定めるところにより理事選任機関が選任する。
2.理事選任機関は、理事を選任するときは、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。

また、理事の定数は、第十八条第3項で定数は五人以上と定められてます。

寄付行為をもって定めるところ(第三十条第1項)

第三十条第1項の「寄附行為をもつて定めるところ」ですが、改正私立学校法の第二十九条は以下のように定められています。

第二十九条 理事選任機関の構成、運営その他理事選任機関に関し必要な事項は、寄附行為をもつて定める。

必要な事項については「寄附行為作成例(文部科学大臣所轄学校法人向け)(令和6年3月5日大学設置・学校法人審議会(学校法人分科会)決定」等にでている以下のような事項だと思われます。
【●●学校法人の寄附行為】
(理事選任機関)
第〇条 この法人の理事選任機関は、評議員会とする。
2 理事選任機関の構成員は、全ての評議員とする。
3 監事は、理事選任機関に対し必要な報告を行おうとするときは、理事長に対し、理事選任機関の招集を請求することができる。この場合において、理事 
長は、理事選任機関を招集しなければならない。
以上は、あくまで一例で、理事選任機関の構成及び運営の具体的内容の決定は、学校法人の判断に委ねられていますが、理事選任機関の構成及び運営、監事からの報告の方法等は、寄附行為に必ず規定しなければならないことに留意する必要があります。

まとめ

このことから「私立学校を経営するために必要な知識又は経験及び学校法人の適正な運営に必要な識見並びに社会的信望を有する者」のうち、5人以上の理事を、第二十九条で定めた、理事選任機関が選任することになり、選任前にはあらかじめ評議員会の意見を聴く必要があることになりました。